はじめに | 2005年4月23日 |
海岸線を走っていると風力発電用の風車を見かけることが多いかと思います。(新潟だけかも?) では、あの風車の軸になる部分、発電機の部分の上に避雷針が立っているのには気付いていますか? あの位置に避雷針を立てても、風車の羽の方が高い位置にあるので、落雷するならば羽になりますから、 意味がないように思います。 では、なんでこのように不自然なことになっているのか、という話です。 |
風車は発電設備である | 2005年4月23日 |
風力発電の風車を造るとき、建築基準法で言うところの工作物として取扱われます。
建築基準法施行令138条1項二号、要するに「高さが15mを超える鉄筋コンクリート造の柱」に該当しているわけです。
そのため、工作物として建築基準法の適用を受けることになるわけです。 建築基準法33条において高さ20mを超えるものいついて避雷設備を設けることを求められますから、避雷針は必要な設備になるわけです。 さて、ここで振返って考えてみると、建築基準法の適用を受けるのは風車そのものではなく、鉄筋コンクリートの柱であることが分かります。 そのため、鉄筋コンクリートの柱が電撃を受けないように避雷針を設ければ、建築基準法を満たしていることになります。 そうは言っても風車はどうなるんだ、と疑問も当然出るかと思います。 鉄筋コンクリートの柱の上にある発電機及び風車は、発電設備であって、工作物ではありません。 建築基準法施行令129条の14において、避雷設備は建築物(工作物)の高さ20mを越える部分を雷から保護しろ、とあります。 逆に言えば、発電設備は工作物ではないため、雷から保護されなくても建築基準法上は問題ないのです。 と、法律上は扱われて、結果として、風力発電の風車の避雷針は発電機の上に付いています。 なんだか、法律上問題なくても、実際には問題がありそうで、むずむずしますよね。 |
おわりに | 2005年4月23日 |
新聞にも載ったので、ご存知の方もいるかと思いますが、名立町(今は市町村合併のため上越市)の所有する風力発電用の風車の羽に落雷し発電設備が故障する事故がありました。
法で要求されなくても実際には困るので、羽に落雷しても大丈夫なようになっているのですが、たまにはそんなこともありますよね。 |