建築物に使われる
アスベストについて
最近よく聞かれます、専門じゃないんですが


アスベストとは 2005年7月16日
アスベストは天然の鉱物で、繊維状の結晶を持っています。 白石綿(クリソタイル)、青石綿(クロシドライト)、茶石綿(アモサイト)などの種類があります。 安価でありながら、高い耐熱性能、耐磨耗性能があり1970年頃から大量に輸入されました。


アスベストは何が悪いのか 2005年7月16日
 アスベストは小さな繊維状の結晶のため、乾燥状態でかまうことで粉塵となって空中に舞います。  少量であってもアスベストが肺に入ることで、塵肺(石綿肺)や、癌(肺癌、中皮腫)になると言われています。  曝露から発症までの期間は20年から30年と長いため因果関係がはっきりしない部分もあります。


アスベストは何に使うのか 2005年7月13日
建築関係では吹付(ふきつけ)の材料として使われました。 耐火被覆とよばれる吹付を行うことで火災に強い建物になります。 鉄骨の建物でよく使われます。 また断熱性能や防音性能が上がるため、機械室の壁などにも吹付は施工されることが多かったです。

そのほかにもセメント円筒やスレート、窯業系サイディングにアスベストの繊維を混ぜると強度が上がるため 多用されました。


アスベストはどう規制されたか 2005年7月16日
アスベストで吹付を行うことは1975年に禁止されています。 30%以上のアスベスト含有ロックウールで吹付を行うことは1979年に禁止されました。 石綿吹付といってもそれ以降はアスベストではなく、替わりの物が使われるようになりました。

鉄骨の建物の駐車場など天井がなく梁が現しになっているところで、 梁に綿のようなものが付いているのを見たことがあるかと思いますが、 その綿のようなものが耐火被覆の吹付です。 1980年以降の建物では耐火被覆の吹付にアスベストは使われなくなりました。
(近所のジャスコの駐車場は安心なのかと聞かれたました。 あれが出来たのは5年前なので、まず大丈夫だろうと答えました。)

露出の吹付は飛散する可能性があるため、アスベストが含まれている場合、危険度が高いです。 それだけに早い段階で規制されたようです。

セメント製品などの中にアスベストを混ぜるのは、2004年10月に禁止されました。 それ以降に生産された製品には1%以上のアスベストが混ざっていることはありません。


アスベストをどうすればいいのか 2005年7月13日
アスベストは肺に入らなければ害はないと言われています。 アスベストが飛散しないよう適切に管理されていれば問題ないです。 吹付されたところが外気に露出していなければ、それほど神経質にならなくても良いと思います。 建物を解体する時など触らなければならない時には、専門の技術や装備を持った業者に依頼し、 自分では触らないほうが良いと思います。

アスベストが練り込まれた製品はそれ自体触ったりしても害はありません(と言われています)。 今でもアスベスト管で水道を供給されている地域もあります。 ただし、破損したり加工する時に練り込まれたアスベストが舞う可能性があるため、適切に管理する必要はあるでしょう。


おわりに 2005年7月13日
自分の建物にアスベストがあるんじゃないかと焦って電話してくる人も居ますが、まあ最近の建物なら大丈夫じゃないですかね。 設計図書が残っていないと僕がやったわけではないんで年代で判断するくらいしかないのが苦しいところです。
うちのあたりだと雪が深い関係で、店舗に限らず個人の住宅でも鉄骨造だったり、結露防止のため吹付を行っていたりすることもそこそこあるんですよね。(豪邸ですね)

 今は悪質リフォームとか流行っていますから、まず自分の家を建ててもらったとこに聞いてみるのが良いと思います。


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